2011年5月19日木曜日

20110519 クラヤミノtones「女性のホーメイを聞く」レビュー

日時:5/19(木曜日)
気持ちのよい晴天で初夏を感じさせる陽気のなか
クラヤミノイベントだけになにか清々しい感じは少ないですが
ホーメイと晴天は相性はいいですよね。

ご存知でない方にホーメイとは
トゥバ共和国に伝わる伝統的な歌唱法です。
トゥバ共和国はアジアの中央に位置し、
隣接する民族の文化が入り混ざりながらも独自の文化を形成している国です。

今回のクラヤミノtonesはゲストをお迎えしました。
かつて、チャンドマニとのコラボレーション企画では
等々力さんお迎えしてクラヤミノtonesを行ったこともありました。

今回のゲストは澤田香緒里(ホーメイ、イギル)(写真)さんです。
とてもキュートな女性ですが、ホーメイとイギルは本物です。
澤田さんは2009年夏トゥバに3ヶ月に間渡り滞在し
草原やタイガの美しさ、 遊牧の営みに深い感銘を受け、
現地のホーメイのフェスティバルにも出場。
帰国後、モンゴルレストラン等で演奏活動をしています。
昨年5月には東京にてハワリンバヤル2010に出演。
その後、渡トゥバし、トゥバの伝統楽器イギルと共に古くから受け継がれている唄を学び
現在、都内にて演奏活動中です。

澤田さんは伴奏楽器としてイギルという楽器を弾きます。
イギルとは馬頭琴の親戚のような2弦楽器(3弦もある)です。
弦と弓はそれぞれ、馬の尻尾の毛100本程を束ねて作られています。 

スタッフ全員で16:00から会場準備を始めます。
今回はいつものようにアップリンクの映画鑑賞用の座席の配置を
きくは変えずに座席をつくりました。
しかし、試行錯誤のうえ、お客さんにはいい音で澤田さんの音を聞いていただきたいと
お客様と澤田さんの席をかなり接近させました(写真)。

座席を組んだ上で真っ暗チェック
さすがはアップリンク。
もう手慣れているというか、あっというまに完璧な暗闇ができあがります。
簡単な打合せをして、少し休憩をとった後は本番開始です。

クラヤミノtonesでは少しでも暗闇にナチュラルに慣れていただくように
目隠しをしたり、眼をつぶってもらって入場したりしていますが
今回は普通にお客様に入っていただきました。
お待ちの間にクラヤミノtonesの注意点、説明、また呼吸・発声ワークの内容の書いた用紙をご案内しました。(写真)


19時30分からクラヤミノtones開始しました。
澤田×クラヤミノtones倍音インストラクター・ウィリアムさんの対談形式で始まります。(写真)
ウィリアムさんから客席の今回のtonesに対する興味のポイント確認します。
「ホーメイ全般が気になってた」
「女性のホーメイが気になってた」
やはり、ホーメイ、また、女性のホーメイというのに関心を持たれてる方は多いようです。
皆さんと少しお話しした上で澤田さんのライブ。
文章では澤田さんの倍音をお伝えできないのが残念ですが
とても奇麗な倍音、そして、会場を充たすイギルのうねり、というか、層というか
なんだか澤田さんを中心に別の世界が会場を満たすような音楽でした。
よかったら、youtubeもご覧下さい。

ライブのあと対談形式のレクチャーです。
どんな時に演奏するのか、どうやって練習するのか、
客席からの質問にもこたえながらホーメーに対する理解をふかめました。
ホーメイの声は上野アメ横のおっちゃんの声を参考にするといいとのことで
会場の参加者も一緒にだみ声で「安いよ、安いよ」と言ったりしました。

澤田さんのレクチャーが終わった後はよりこの素敵な声を目指すため、
また、楽に実践するため、ウィリアムさんから呼吸と声のワークが行われました。
身体を風船のようにして息を吸い込み、
身体をスピーカーのようにして音を出し、
とてもわかりやすいイメージを添えて会場に説明していました。

この呼吸と声のワークで会場の発声の準備が整ってから
実際に段々と暗くしていきます(写真)。
最初の15分間は澤田さんのイギルと会場の声のセッション。
次の15分間は会場全体で自由に声を出す時間。
そして、また15分間、イギルと会場でセッションをしました。
澤田さんというすばらしお手本がいらしたからでしょうか、
今日の晴天が観客をホーメイが出しやすい身体にしていたのでしょうか、
ウィリアムさんの声と呼吸のワークの丁寧さからでしょうか。
この日のクラヤミノtonesの響きはさっきまで見えていた
アップリンクファクトリーの天井、壁がどこかにいってしまったかのように
遠くのほうから高い音、また、お祭のお囃子の音のような倍音が鳴り響いてました。
モンゴルの草原の夜と言ってもいいのかもしれません。

全員で声を出した後、10分間、澤田さんのライブを聞きました。
一番初めの音は音が形をもったように、色をもったように
なにか立体的なものが存在しているように私は感じました。
完全な真っ暗の中で、見えてる、とか、聞こえてる、とか、
目で、耳で、ではなく、体全体で澤田さんの音楽を味わう時間が流れました。
自然とアンコールも起きました。

最後に感想を聞きながら明るくしていきます。
澤田さんからも感想をおうかがいしました。
「とても気持ちがよかった」と言っていただけたのはとてもうれしかったです。

終わったあとはワンドリンクを味わいながら各自質問をしたりして終了しました。

澤田さん、また、参加していただいた参加者の皆様
ありがとうございました。

追伸;澤田さんのブログにもクラヤミノtones紹介していただきました。
ありがとうございます。

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