2015年12月28日月曜日

2015年12月27日(日) 「西遊記」のレポート

12月27日に、西遊記の空中活劇を見に行った。

空中ヨガと歌と声と楽器とで「西遊記」を再現した演目ということなのだが、
台詞はほぼなく、声と音と動きとがそれぞれに合わさり、関係しあい、
状況が移り変わっていくという感じの作品。

登場人物の為人が朗読や特殊な声などで説明され、また彼らが動きを見せていく中で、
それぞれの世界観に触れることができ、キャラクター像がだんだん明確になってくる。

一番最後の敵がコントラバスを持って出てきて、
その生音の緊張感、厚み、奏でる空気感のようなものにゾクッと背筋が伸びたことを、
空中を舞う孫悟空や仲間たちの躍動感と静寂さに、
自分とは全く別の世界で全く違う感性で生きている生物がいるということを、
三蔵法師の心の揺れ動く様に、やはり彼も人間なのだと感じたことを、
テーマを歌う女性の声の伸びやかさに癒されたことを、
終わった後も何度も思い返している。

それが何だったのかと言われると、
頭で考えるとなかなかわからないのだけれど、
心の奥の方で言葉でうまく表現できない何かの衝撃は
確かに受けているという不思議な作品だった。

文:松村(インターンシップ)