2026年1月1日木曜日

終了しました。「第4回Moving croquis ムービングクロッキーの会」レビュー

2025/12/28(日) 終了しました。

「第4回Moving croquis ムービングクロッキーの会」レビュー

「Moving croquis」は、静止した身体を写し取るためのクロッキーという行為を、時間と運動のなかへ解き放つ試みである。第4回となりエアリアルシルクダンサーによる床から切り離された身体が描く“宙の線”は、描き手の視覚と身体感覚を強く揺さぶった。


シルクに身を委ね、上昇し、反転し、落下の直前で静止する身体。その一瞬一瞬は、筋肉の緊張と解放、重力との交渉、呼吸のリズムが可視化された彫刻のようでもある。描く側は、もはやポーズを正確に写すことだけを目的とせず、運動の軌跡、速度の変化、身体が空間に刻む時間そのものを紙面に受け止める選択肢が発生することになる。


特に印象的だったのは、エアリアル特有の「上下方向の運動」が、クロッキーに新たな緊張をもたらしていた点だ。床に立つ身体では前提となっていた重心や安定が常に裏切られ、線は宙吊りの不確かさを帯びる。結果として描かれた線は、形を説明するためのものというより、身体が“そこにあった痕跡”として立ち上がっていた。



「Moving croquis」は、描くことと踊ること、見ることと感じることの境界を曖昧にされ、さらに深く拡張された身体は空間を動き、線は時間を踊る。その交差点に立ち会う体験として、非常に密度の高い会であった。

タタミスタジオ浅草 タムラ