2023年8月23日水曜日

マインドフルネスとメディテーションの違いは?

マインドフルネスとメディテーション(瞑想)の2つの違いについて。

「2つは同じ意味で使われることが多く、
           さらに混乱させているのがマインドフルメディテーションです」
と、説明するのは、臨床催眠術療法士でMindology Appの創業者クレア・アリスタイズ(Claire Aristides)。


                               著作者:vecstock</a>/出典:Freepik

「マインドフルネスは、ある特定の方法で何かに注意を払い、
今という時間に集中して、忙しない心や神経系を穏やかにすることを伴います。
理論的には、料理や塗り絵、あるいは皿洗いなどもそうで、
こうした日常的な作業の人気がいま復活しているのはそのためです」

そうした行為をする中で認知感覚が高まり、集中力につながると同時に、
ホワイトノイズをシャットアウトする。
私たちの脳内では1日平均6万件以上の考えが駆け巡り、特に指1本でできるEメールやSNS、そして今はZoomなどのテレビ電話もあるため、頭の中のスペースを空けるのが難しくなってくるのも驚きではない。
そのため、マインドフルネスをネクストレベルに高めることで、
より深いところに到達することに役立て、瞑想している人がいるのだ。
「マインドフルネスメディテーションは、思考や音、呼吸の感覚や体のパーツに注意を傾け、ぼんやりし始めた時はいつでも自分の心を取り戻すことです」
と、アリスタイズは続ける。

当然、他のタイプのメディテーションと重なる部分もあり、
多くは呼吸やボディスキャン、ビジュアライゼーション、サウンドバス、あるいは、自分の思考を雲にたとえてモニターする、オープンモニタリングアウェアネスのテクニックといったものがある。
しかし、もっと伝統的なメソッドでは“モンキーマインド”(集中できない精神状態)を鎮めたり、心の中のおしゃべりをやめたりはしない。
こうした思考はより訓練が深いところまで届くのに役立つという考え方だ。

例えば、ヴェーダ瞑想。
インド発祥だが、特定の信念体系と連携するものではなく、
朝晩各1回、20分ずつ訓練する。このタイプの瞑想を始める前に、
各人はマントラを覚える必要がある。シンプルで特に意味のない音で、
目を閉じて静かに繰り返す。

「集中力も努力もいりません。マントラがただ、自動的により静かで深いレベルに連れて行ってくれます。だから、ヴェーダ瞑想は神経系を休ませるもっとも効果的でパワフルな方法のひとつなのです」
と、ヴェーダ瞑想の教師でLondon Meditation Centreの共同創業者ジリアン・ラヴェンダーは説明する。

やっているうちにマントラを思考の中で失ってしまったとしても、心配はいらない。
思考はストレスを自然に解放する方法で、肯定的に捉えられているから、
脱線しても罪悪感を感じたりパニックを起こしたりする必要はない。
ほとんどの場合、瞑想している人はマントラを再び思い出し、
穏やかさを求める旅を続ける。

実際に効果はあるの?

メディテーションは、ホリスティック(全体的)という考え方と科学的な結果がぶつかる珍しい例外のうちのひとつ。

「学術的研究から、どんな形のメディテーションでも、
血圧のコントロールから不安や鬱の緩和まで、
健康的メリットをもたらすとわかっていますが、
脳のエコー検査で瞑想はα波とθ波の活動を起こすことを画像で示した、
意義のある神経科学の研究もあります。
ストレスに対処する自律神経系の働きである闘争逃走反応のβ波の状態から
心身をリラックスさせ、ストレスを緩和するのです」
と、アリスタイズは言う。

脳が冴えていて思考が明快になることが、瞑想すると感情や不安が暴走しないので、
よりよい決断ができ、対処戦略が向上し、あまり衝動的でなくなるとよく言われる理由だ。

「コルチゾルやアドレナリンといったストレスホルモンを減らし、
ドーパミンやセロトニンなどの天然の幸せホルモンに取って替わる。
休息はストレスに対する解毒剤で、ヴェーダ瞑想は、
睡眠よりも非常に深い休息をもたらすので、
忙しく過酷な現代社会でバランスを維持するのに不可欠です」
と、ラヴェンダーは付け加える。

また、ある研究では、瞑想トレーニングを4日間行っただけで、
注意力を持続する能力が高まり、
初めて目を閉じた時から成果が得られることがわかっている。

「瞑想は、理解するまでに6カ月もかかるようなものではありません。
私は多くの人に瞑想を教えてきた経験から、
生徒たちが最初の数日で変化を報告するのを見ています」
と、ラヴェンダー。

マインドフルネス、サウンドフルネス的な瞑想をを体験するなら
「繭のひとやすみ」をお勧めします。