先日9/22は、現代芸術家の山川冬樹さんによるワークショップ
真っ暗闇の中で、超低周波と超高周波を織り交ぜた音環境に身を置
なんとも不思議な体験をしてきました。
超低周波と超高周波ってなに?
超低周波を例えると、バイクのエンジン音みたいな感じ。低い音が
身体が音で振動する。ワークショップ
そして超高周波は、耳鳴りのような感じ。音の矢が、キーン!と頭
この全く異なる2種類の音の中で、さらに何も見えない真っ暗闇の
もう頭が混乱してしまいそうになるのは想像がつくでし
さて、ワークショップの始まり。
最初は耳栓をして、外部の音を遮断します。
寝転ぶと、しだいに辺りが暗くなり、真っ暗闇の世界へ。
鼻から息を吸い、口から吐くように呼吸をしてみてくださいと山川
普段はしない呼吸法なので、なんだか地上にいるような気がしませ
たとえば、ダイビングで深海に潜っているような、果てしない宇宙
呼吸のしかただけで、全く別の環境にいる気がする
超低周波が鳴り響いて、暗闇の中で身体が振動しているのを感じる
山川さんの声の合図で、立ち上がる。
すると、超低周波で身体が振動して分解されていくような感じがし
立ち上がった瞬間、上半身だけしか自分の身体がついていない
たしかに立っているのだけれど、
なんだろう、これ。自分の身体が暗闇の中に分散していくような、
不思議な感覚でした。
そして、山川さんの声の合図で耳栓をとります。すると、ふわっと
解放されていく感じがしました。
自分の中で振動していたものが、外に広がっていくような、とても
そして、歩く。
真っ暗闇の、何も見えない中を、ただ自分の肌感覚や耳の感覚だけ
明るいときに自分がどの辺りにいるかは把握していたので、
なんと
顔の向き(耳の向き)で聴こえる音の大きさの変化と、肌で感じる
スピーカーや壁との距離を測りながら。
山川さんは、暗闇の中でみんなが同じ方向に歩いているのがわかっ
たしかに、無意識的に近くにい
見えないながらも同じ方向に歩いてい
互いに協調し合い同じ方向へ歩く、日本人としての社会のあり方な
山川さんが「暗闇の中に社会が見えた」と表現されていたのにグッ
さて、また立ち止まり、一度その場に寝転びます。
すると、今度は超高周波の音域が拡張されていき、どんどん音が昇
そして、音の上昇とともに、立ち上がっていきます。
山川さんの合図で全員の遠吠えが始まります。犬とか狼になった気
暗闇の中の誰かに呼びかける。
全員の声が折り重なって、なんだか大合唱をしているよう。
途中、声とは違うビリビリした音を感じました。一瞬山川さんが電
後で解説を聞くと違うそうで、
遠吠えの終わりと同時に音が止みます。
シーンと静まった暗闇は、とても孤独を感じました。たったひとり
そこに、わずかに光が灯されていきます。
これは何か。静かに大地の夜明けが近づく感覚に似ています。
昔ア
、大地が目覚めていく風景が思い出され
大地の朝は、いつもゼロから始まる。
それに対して、私たちの住ん
そん
本当に、今回のワークショップは「旅」をした気分でした。とても
空間が完全に明るくなって、現実の世界へ戻ります。
参加者の感想は十人十色。
耳栓を外したときの開放感、遠吠えをする中でのコミュニケーショ
誰にも見られていないことへの自由、人との距離への恐怖、反
見えないものが見えているよう
本
自分の収穫としては、これまで参加させてもらった暗闇のワークシ
音の生感に触れる、みたいな
今回は、「暗闇と音による身体の解体」という全く別の感覚を得た
また続編の開催を期待しています!
文責:高橋茉莉子(インターンシップ)