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2016年6月2日木曜日

2016年5月21日(土)永田砂知子さんの「暗闇の波紋音」を体験してきました。

永田砂知子さんの「暗闇の波紋音」を体験してきました。

波紋音とは、、
彫刻家・斉藤鉄平が水琴屈の音に感動し、
鉄で創作した完全にオリジナルな作品であり楽器で、
波紋のようにどこまでも音が広がるように・・というイメージで
波紋音(はもん)と名づけられたそうです。

波紋音は、中が空洞になっている鉄の器で、打面にヒビのようなスリットが入っていて、
叩く部分によって異なる音が鳴ります。丸い鉄琴のようなイメージでしょうか。



この波紋音1つだけでも色々な音が鳴るというのに、
なんと永田さんは大小様々ある7つもの波紋音を組み合わせ、
メロディーを奏でるのです!

しかも楽器といえど、ここを叩いたら「ド」の音が鳴るなんて親切なことはなく、
音階を無視したバラバラの音が鳴るのだから、ひとつの和音を作ることすら難しい。
おそらく、素人が鳴らしてみると全くまとまりのないメロディーになるのでしょう。
クラシック音楽がベースとして身についている永田さんだからこそ、
この複雑な音色を心地よい音の集合として整えて鳴らすことができるのです。

実際に暗闇の中で聴いたメロディーは、
とても愉快で楽しく、その計算された音にとても驚きました!

自然界にある
水だとか、
葉っぱだとか、
木だとか、
石だとか、
風だとか、
全く性質の違うものを鳴らしているようなイメージ。

どんな音が鳴るかわからないものを、
永田さんはひとつひとつ拾い集め、
それらの音に息を吹き込んで絶妙なハーモニーをつくります。

その不思議な組み合わせの音色がとても心地よく、興味深く、
無意識に暗闇の中でノリノリになってしまった場面も、、!

たくさんの音が鳴るときは、
いろいろな考えが次々に浮かんでは巡り巡っていく。

そしてシンプルな音に集約された時、
わたしの思考もシンプルで研ぎ澄まされていく。
音色やリズムに自分の心が揺さぶられ、動かされていく感覚です。
暗闇での47分の演奏がとても短く感じました。

個人的には、永田さんの演奏にも感銘を受けたのですが、
クラシックをしていた彼女が最終的にこの波紋音という不思議な楽器に
辿り着いたというストーリーがとても興味深く、
その道のりが音にのって表れているような気がしたのです。
またこのような機会があれば聴いてみたいです。

http://bfrec.com/tatamistudio/

文:松村(インターンシップ) 

2016年4月28日木曜日

2016/04/17 (日)真っ暗闇の中でクリスタルボウルの演奏を聴く体験をしてきました。



まがりさんの演奏を聴くのはこれが2回目。
真っ暗闇の中で演奏するなんて誰が思いついたのか。
至難の技をやってのけるまがりさん。
かなりの集中力を使うそうで、終わったあとはヘトヘトだそうです。

さて、参加した15名ほどがヨガマットの上で寝転んだり座ったりと、
それぞれがリラックスした状態で、部屋を少し薄暗くしたところから演奏がスタート。
クリスタルボウルの音は、いつもイヤホンから聴いている音楽だとか、
テレビから流れてくる音とは全く異なり、音の厚みが身体に響き渡るような感覚。

自分の身体の中心まで振動させるような不思議な音なのです。
(言葉では表しきれないので、ぜひ体感してほしいです!)

40分程の演奏が終わり、次はいよいよ真っ暗闇の中での演奏です。
目を瞑っていても開けていても、何も見えない。そんな中で、音だけが鳴っている。
なかなか日常では体験できない空間です。

クリスタルボウルの音に徐々に意識が傾いていくと、
知らないうちに頭で考えるという行為から離れていきます。
どんどん「無」に近づいていくような、寝る前に意識が遠のいていくような感覚です。
その時に、クリスタルボウルの音が、何か自分の中の一番ピュアな感情というか、
心の奥の原風景みたいな?
何かそのようなものとリンクしたような気がして、
自分がとてもシンプルな存在に戻ったような感覚になりました。



普段は思い出さないような幼い頃の記憶や感覚、昔住んでいた場所の風景など、
普段生活している中では決して思い出さないようなことが、考えてもないのに浮かんでくる。
クリスタルボウルを聴くのは2回目なのですが、2回ともこんな感覚になるなんて、
なんとも不思議です。

40分程の演奏のあと、徐々に部屋を明るくして、終了。
こんなにも僅かな光でさえ、眩しいと感じるのか!と驚くほど、
真っ暗闇からの脱出にはとてつもない時間を要します。

明るくなって周りが見えるようになると、急に日常に近づいた気がして、
急に頭が働いて、明日の仕事のなど良からぬことを考えてしまうのですが、、

クリスタルボウルは頭のデトックスなんだなといつも思います。
とても頭がスッキリする。

忙しい毎日に区切りをつけて、リラックスする時間は実はとても重要なのではと感じました。
http://bfrec.com/tatamistudio/

文:松村(インターンシップ) 

2013年7月20日土曜日

2013年7月20日 「暗闇のボイス」レポート

【「暗闇のボイス」レポート】 立教大学 林さんのレポート



暗闇でどんな心境になるか体験してみたいと思って参加しましたが
予想以上に全く暗闇に眼が慣れるということがなく、驚きました。

見えないと言っても声に特徴があるため、誰が話しているかということは検討がつきますし、
始めの方は見えないことで人をいつもよりも敏感に意識している自分がいましたが、
声を出し始めたら、今度は声を出すことに簡単に入り込むことが出来て、
いつの間にか他の人を意識する部分どこかに飛んでいき、
つっかえのようなものが取れて思い切り声が出せました。

ここまでは予想していましたが、その後、自分の響きに意識を向けつつ、
人の響きを共鳴させていく段階では、
始めはあんなに敏感に声を気にしていたのに、自分も声は出しつつ、
人の声との共鳴を楽しんでいる自分に不思議な感覚がしました。

結局つっかえのように感じていたものは、
きっかけさえあれば思いがけず簡単に取れるもので、
一度そのつっかえが取れてしまえばネガティブに感じていた敏感さも、
心地良い響を得る感覚へと変わっていったのでした。

2011年6月9日木曜日

20110609 クラヤミノtonesレビュー



日時:6月9日(木曜日) 19時半から

梅雨のさなかですが天候にめぐまれました。
でも、むしむしする日でしたね。
今回からはシリーズ企画「Throat of Japan」全4回です。
「Throat of Japan」では毎回際立った喉を持ったアーティストをお呼びします。
会場の照明が明るい中でライブ、レクチャーを受けた後に
会場を真っ暗闇にしてレクチャーで得たものを参加者が実践し、
最後に真っ暗闇の中でもう一度ライブを体験するワークショップイベントです。
真っ暗っていってもクラヤミノtonesの真っ暗は完全暗転です
自分の手ですら見えなくなります。
この暗闇だけでも体験する価値があるとアップリンクさんはおっしゃっていました。

初回のゲストはクラヤミノtonesメンバーでもある
(スーパー)ボイスパフォーマー徳久ウィリアムさん
(スーパーは僕が勝手につけました。)
ウィリアムさんは人の声の限界に挑むようなパフォーマンスを
ここ5年間は毎年計約100本以上もこなしながらも全く喉を壊していません。
(4年前の映像ですが下記をご参照ください。)
喉への負担を最小限にして、色々な声の出し方を探りつづけています。
ライブ以外にもレッスンやワークショップも頻繁に開催しています。
その基礎的なワークでは「発声」を医学的なレベルから捉えているので
どんなジャンルの人でも、または、声を専門としない普通の人にも役立つと定評があります。

今回はそんな徳久ウィリアムさんをゲストにお迎えしたクラヤミノtonesです。
そして、今回も客席とウィリアムさんは大接近です。

19時に開場しました。
実は薄く流れていた音楽はアップリンクスタッフの選曲でした
素敵な選曲でした、ありがとうございます。

優秀というかお客様は会場15分くらいでほぼ全員集合。
開演前にには注意事項がスタッフから説明されます。

開演するとまず始めにウィリアムさんのライブが行われました。
あの有名な「What a wonderful world」を
ふつうに歌うバージョン、
サッチモ風バージョン、
トムウェイツ風バージョン、
デスメタル風バージョン、
ニュースクールのデスメタル風バージョン、
と、分かりやすい曲・モチーフからそれをお手本に、
段階を踏んで、どうやって色んな声色を使って表現していくのかを
分かりやすく説明してくださいました
ところどころで、ウィリアムさんが声の説明を笑いも混ぜてしてくれたのも
とてもわかりやすかったです。
ライブの最後には、その他いろいろな声も絡めてレクチャーライブを終了しました。


そのあとでウィリアムさんとの対談の相手として
tonesメンバーとアップリンクスタッフが表に登場します。
ウィリアムさんとの掛け合いの中で我々tonesメンバー、アップリンクスタッフも
喉声で自己紹介し、サッチモ声も披露しました。
ウィリアムさんには到底かないませんが
複数回tonesに出てる人間としては恥じない声が出せていたでしょうか。

その後は会場から声、喉についての質問を適宜うけながらすすみます。
ホーメーについての質問、また、ニュースクールのデスメタル声に関する質問が上がりました。
これらは参加者も一緒にウィリアムさんに声の出し方を聞いて真似をしてみました。
世界にどれくらいのこえがあるにかという質問には、
いまも知らないところでおもいもつかない声が生まれているとのことでした。
なんかロマンチックですよね。

だんだん暗くなっていきます。
今回は30分くらいで真っ暗になっていたでしょうか。
ライブ、レクチャーから部屋が暗くなって行くのと同じように緩やかに
呼吸、発声のワークショップに移行します。
今回は暗転が早かったせいもあって真っ暗の中で
ウィリアムさんのイメージ想起させるアナウンスが冴えます。
内容は身体を風船に見立てた呼吸法をした後で、
身体の軸の中にu、o、a、e、i、nを感じながら声を出す倍音声明、
また、身体スピーカーをした後に全員でo、e、iを発声します。
このワークは声を出すことが身体で感じられてとても感激しました。

体中がスピーカーであることが実感できます。

ウォームアップが整ったところで口琴の音で全員の音をチューニングし、
2分づつo、e、iを発声します
裏声、喉声、いろいろ、色んな音がでてました。
でも、凶暴な感じではなく、
でも、心地がとてもよいものでもなく
バランスがとれた豊穣さというか、とても多様性がたもたれた森ができあがりました。
前回の全体がハーモニーになっているのとは少し違いました。
その後に再度、全員でo、e、iを音を合わせてだします。


終了後はウィリアムさんのライブ。
口琴を使った演奏から即興演奏になりました。
ウィリアムさんの声色が変わるたびに別の生物が暗闇の中に存在しているようです。
しかも、声が移り変わって混ざってる部分もあるので
様々な動物が暗闇のなかで召喚されて部屋をかけまわっているようでした。
アンコールを経て、参加者に感想を聞きながら部屋を明るくしていきます。

明るくなった後も口琴ワークショップが突発的に発生したり、
興奮がなかなか冷めない一夜でした。

そして7月は第二回!女流義太夫の声を暗闇で味わい、暗闇で体感します。そして暗闇で三味線と共演もできるかも!

楽しみだ!


2回目以降も素晴らしいゲストが続きます。
7月14日(木):田中悠美子竹本駒佳(女流義太夫の喉)
8月11日(木):福岡ユタカ(フリー・ヴォーカリゼーションの喉)
9月 8日(木):柳家小春(江戸小唄の喉)



お問合せは下記です。


クラヤミノtones『Throat of Japan』全4回
日時:6月9日(木)
(日時:7月14日(木))
(日時:8月11日(木))
(日時:9月8日(木))
各日19:30開始/21:30終了予定(受付は19:20までに済ませてください)
料金:

・全4回予約12,000円(1回あたり3,000円になり大変お得)
・2回以上予約3,500円
・単発予約4,000円

・当日5,000円
・学生2,500円(予約当日共に) 
[すべてアフタードリンク付き]

■注意点

・嗅覚が敏感になりますので香りの強い食べ物や香水はお控え下さい。
・光る物、音の鳴るものは持ち込まないで下さい。
・完全暗転になりましたら途中入場が出来ません。
・長時間声を出し続けますのでペットボトルで水をご持参してください。
・暗闇に不安のある方はご遠慮ください。
・15歳未満の方や聴覚に問題のある方は参加できません。
・記録の為に写真撮影や録音を行っています。
 (写真は主にHPで使用、録音はyoutube、SoundCloudで公開する場合があります)
■予約方法
このイベントへの参加予約をご希望の方は
(1)ご希望の日程(及び連続予約される方はその旨も)※忘れずにご記入ください。
(2)お名前
(3)人数
(4)住所
(5)電話番号を明記の上、
件名を「予約/クラヤミノtones」として、factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。

2011年5月19日木曜日

20110519 クラヤミノtones「女性のホーメイを聞く」レビュー

日時:5/19(木曜日)
気持ちのよい晴天で初夏を感じさせる陽気のなか
クラヤミノイベントだけになにか清々しい感じは少ないですが
ホーメイと晴天は相性はいいですよね。

ご存知でない方にホーメイとは
トゥバ共和国に伝わる伝統的な歌唱法です。
トゥバ共和国はアジアの中央に位置し、
隣接する民族の文化が入り混ざりながらも独自の文化を形成している国です。

今回のクラヤミノtonesはゲストをお迎えしました。
かつて、チャンドマニとのコラボレーション企画では
等々力さんお迎えしてクラヤミノtonesを行ったこともありました。

今回のゲストは澤田香緒里(ホーメイ、イギル)(写真)さんです。
とてもキュートな女性ですが、ホーメイとイギルは本物です。
澤田さんは2009年夏トゥバに3ヶ月に間渡り滞在し
草原やタイガの美しさ、 遊牧の営みに深い感銘を受け、
現地のホーメイのフェスティバルにも出場。
帰国後、モンゴルレストラン等で演奏活動をしています。
昨年5月には東京にてハワリンバヤル2010に出演。
その後、渡トゥバし、トゥバの伝統楽器イギルと共に古くから受け継がれている唄を学び
現在、都内にて演奏活動中です。

澤田さんは伴奏楽器としてイギルという楽器を弾きます。
イギルとは馬頭琴の親戚のような2弦楽器(3弦もある)です。
弦と弓はそれぞれ、馬の尻尾の毛100本程を束ねて作られています。 

スタッフ全員で16:00から会場準備を始めます。
今回はいつものようにアップリンクの映画鑑賞用の座席の配置を
きくは変えずに座席をつくりました。
しかし、試行錯誤のうえ、お客さんにはいい音で澤田さんの音を聞いていただきたいと
お客様と澤田さんの席をかなり接近させました(写真)。

座席を組んだ上で真っ暗チェック
さすがはアップリンク。
もう手慣れているというか、あっというまに完璧な暗闇ができあがります。
簡単な打合せをして、少し休憩をとった後は本番開始です。

クラヤミノtonesでは少しでも暗闇にナチュラルに慣れていただくように
目隠しをしたり、眼をつぶってもらって入場したりしていますが
今回は普通にお客様に入っていただきました。
お待ちの間にクラヤミノtonesの注意点、説明、また呼吸・発声ワークの内容の書いた用紙をご案内しました。(写真)


19時30分からクラヤミノtones開始しました。
澤田×クラヤミノtones倍音インストラクター・ウィリアムさんの対談形式で始まります。(写真)
ウィリアムさんから客席の今回のtonesに対する興味のポイント確認します。
「ホーメイ全般が気になってた」
「女性のホーメイが気になってた」
やはり、ホーメイ、また、女性のホーメイというのに関心を持たれてる方は多いようです。
皆さんと少しお話しした上で澤田さんのライブ。
文章では澤田さんの倍音をお伝えできないのが残念ですが
とても奇麗な倍音、そして、会場を充たすイギルのうねり、というか、層というか
なんだか澤田さんを中心に別の世界が会場を満たすような音楽でした。
よかったら、youtubeもご覧下さい。

ライブのあと対談形式のレクチャーです。
どんな時に演奏するのか、どうやって練習するのか、
客席からの質問にもこたえながらホーメーに対する理解をふかめました。
ホーメイの声は上野アメ横のおっちゃんの声を参考にするといいとのことで
会場の参加者も一緒にだみ声で「安いよ、安いよ」と言ったりしました。

澤田さんのレクチャーが終わった後はよりこの素敵な声を目指すため、
また、楽に実践するため、ウィリアムさんから呼吸と声のワークが行われました。
身体を風船のようにして息を吸い込み、
身体をスピーカーのようにして音を出し、
とてもわかりやすいイメージを添えて会場に説明していました。

この呼吸と声のワークで会場の発声の準備が整ってから
実際に段々と暗くしていきます(写真)。
最初の15分間は澤田さんのイギルと会場の声のセッション。
次の15分間は会場全体で自由に声を出す時間。
そして、また15分間、イギルと会場でセッションをしました。
澤田さんというすばらしお手本がいらしたからでしょうか、
今日の晴天が観客をホーメイが出しやすい身体にしていたのでしょうか、
ウィリアムさんの声と呼吸のワークの丁寧さからでしょうか。
この日のクラヤミノtonesの響きはさっきまで見えていた
アップリンクファクトリーの天井、壁がどこかにいってしまったかのように
遠くのほうから高い音、また、お祭のお囃子の音のような倍音が鳴り響いてました。
モンゴルの草原の夜と言ってもいいのかもしれません。

全員で声を出した後、10分間、澤田さんのライブを聞きました。
一番初めの音は音が形をもったように、色をもったように
なにか立体的なものが存在しているように私は感じました。
完全な真っ暗の中で、見えてる、とか、聞こえてる、とか、
目で、耳で、ではなく、体全体で澤田さんの音楽を味わう時間が流れました。
自然とアンコールも起きました。

最後に感想を聞きながら明るくしていきます。
澤田さんからも感想をおうかがいしました。
「とても気持ちがよかった」と言っていただけたのはとてもうれしかったです。

終わったあとはワンドリンクを味わいながら各自質問をしたりして終了しました。

澤田さん、また、参加していただいた参加者の皆様
ありがとうございました。

追伸;澤田さんのブログにもクラヤミノtones紹介していただきました。
ありがとうございます。

2011年5月1日日曜日

20110501 クラヤミノtonesレビュー


日時;5月1日(土)
場所;渋谷ナチュラルエリップス

強い風が吹き、雨が降ったり止んだりの夕方でした。
渋谷の道玄坂を上りきったところにあるナチュラルエリップス
回のクラヤミノtonesは行われました。
建物は白い繭のような卵のような非日常的な形をした建物です(写真)。
外はそんな外観と関係なくバラバラと老若男女の番いが前を通ります(ラブホテル街なので)。

「エリップス」とは英語で「楕円」の意とうことす。
建築家・遠藤政樹氏がつくったこの建物は数々の賞を受賞しています。

真っ暗にする作業をスタッツ総出で16時から始めました。
この技術は企業秘密ですね(写真)。

開始前にスタッフミーティングをします(写真)。
建物が様になってるだけに撮る写真、撮る写真かっこ良くなってしまいます。
18時50分の会場に合わせてお客様来場です。
この時には少し雨が降っていて、皆様雨の中本当にありがとうございました。
今回は建物のなかなので靴を抜いでいただき
暗闇での注意点をお話した上で
入り口でさっそくアイマスクをつけてもらいました。
より、視覚からのイメージに影響をうけないでこの建物を感じていただくためです。
そして、このアイマスクも特別性です。
光りがまったく入らないように工夫がしてあります。
アイマスクをつけたまま建物の中に入っていただきます。
入口を入るとすぐに螺旋階段になっています。
スタッフが一人ひとり階段を降りて会場にお連れしますが
怯えている方、かなり堂々と歩みを進める方、いろいろな方がいらっしゃいます。

人数がそろったところでワークをはじめます。
会場は余震対策のために薄明かりをつけていますが参加者はアイマスクを装着したままです。
クラヤミノtones定番の呼吸、発声のワークをします。
今回は海外の方もいたので英語のディレクションも入りました。

後半はo-e-i発声を使って全員で声をだします。
10分、全員で母音を合わせて、10分、自由に、10分、もう一度母音を合わせて行いました。
特殊な建物故の反響のせいなのでしょうか、
参加者の落ち着き故でしょうか、
この日の参加者の音の束はとても落ち着いた豊穣な感じが終始感じられました。

1時間くらいワークを含めて声をだしましたがあっという間に終わりました。
じょじょに明かりがつきます。
お客様の一人が席から離れてまったく違うところにいたのはスタッフも含め全員がびっくりしました。
明るくなってからたてものをグループで別れて探索しました。

地下一階、入口しかない一階、階段が突き抜けているだけの二階、リビングらしい三階、
そして、お風呂とテラスとビップルーム?(このビップルームはお風呂を通らないと行けない)のある四階で構成されています。
螺旋階段で地下から四階まで繋がってるので反響もかなり特殊でした。
それぞれビップルームで寛がれる方、いろんなスイッチを押される方、思い思いの楽しみ方をしていました。
地下一階まで順々に全員で声を出しながら降りていきました(写真)。
その過程は建物全体に声が血液のように流れているようでした。
明るい状態で地下一階で声を合わせて終了となりました。

2011年3月26日土曜日

20110326 クラヤミノtonesのレビュー


お日様の加減は春ですが、まだ少し肌寒い日に今回のクラヤミノtonesは開催されました。
晴天ということで、暗闇にはあんまりよろしくない天候ですが
お日様が陰った頃から受付がはじまり、お客様に入場していただきました。
(写真は超貴重写真、クラヤミノtones準備風景)

入場はスタッフがお客様に目をつぶってもらって会場に誘導します
目をつぶって会場までの道のりを歩いてもらうことで
本番の暗闇の中での動作の練習にもなります。
ここで注意すべきは
1、手はピンと伸ばさず、すこし指を折り曲げる
2、足はすり足にする
3、壁を軽く叩くことで自分の存在を人に示す
です。

参加者が揃ったところで本編の開始です。
皆さん靴を脱いでリラックスした状態で始まります。
今回は、まだ余震の可能性がある状況なので
薄明かりの中でワークがはじまりました。

まずは呼吸。
講師であるウィリアムさんがゆっくりと呼吸のやり方を見せてくれます。
それに対して参加者はそれを頭で理解するというより真似をします
しっかり吐いて、しっかり吸う、そして、吐く前にお腹にためる。
これは内蔵のストレッチにもなります。

呼吸とウィリアムさんのコメントが相互にリズム感のようなものを醸し出します。

次にその呼吸を使って声を出します。
まずは口を脱力して開けた状態から小さい音を出すことから始まり
胸、口、鼻、をそれぞれ響かせるワークにうつり、
最後に身体を大きなスピーカーに例えて体全体で声を出します。
出す声はクラヤミノtones定番のo-e-i発声です。
全員がスピーカーになった時には早速音の衝突によって
ぴー、という倍音が聞こえてきました。

発声を充分にしてからホーメー(ホーミー)のレクチャーを聴き、
実際に真似をしてやってみた後に(難しかった)
会場を真っ暗にして『声を束ね』ていきました。

完全暗室になると人の顔も、自分の身体すらもまったく見えなくなります。
初め10分がo-e-iを全員で合わせていう。
次の10分が自由に声を出す。
最後の10分が再びo-e-iを全員で合わせていいました。
従来はこの10分を20分づつくらいやるので
少し短いような気もしましたが、
8人の音が束ねらたときの1人1人の豊かさを残しつつ
1つの音になった感じは今回も素敵でした。
また、『束ねる』ということにも通じますが
途中の10分間に制約をつけることによって
最後の10分間の束ねられた音が深みがましていたような感じがしました。

あっというまに30分がすぎ、
最後は明るくしながらリフレクションをしました。
ある人は普段よりも明るい時間が長かったことに触れました。
また、ある人は震災のニュースを見続けていたことで視覚情報に疲れていたという人もいました。
最後は一人のお客様が泣き出しました。
明るくなるのに抵抗をもたれていたようでしたが
参加されていたお友達、他の参加者も温かく見守る中で
段々と灯りになれていただきました。

終了後におうかがいしたところでは
そのお客様は暗いところでしか寝れない性質の方ですが、
震災時に避難したホテルで煌煌とついた電気の中で寝ることを強いられ
その体験が今回の灯りがつく体験にフィードバックしたということでした。
また、もともと三半規管が弱く、めまい持ちだったということでした。
涙を流された方は来た時以上にハツラツと帰られていきました。

私も含めてですが、今回の震災は被災地の方だけでなく
いろんな人を傷つけていると改めて認識させられました。
その中でも怯えず、萎縮せず、普段通りでいる大切さということも感じました。

写真は打上げ会場でのごはん。
スタジオの近くですがめちゃくちゃ量が多いのが魅力。
是非、tones参加後にお立ち寄り下さい。
大味(タイミー)という中華料理屋さんです。



(ファシリテーター・渡辺タケシ)
p.s.クラヤミノtonesの音源は下記youtubeで視聴もできます。

2010年11月21日日曜日

201001121 クラヤミノtonesレビュー

11月21日(日)クラヤミノtones(トーンズ)「声の森を創る」@UPLINK
終了しました。
大勢のお客さんに来ていただき、本当にありがとうございます。

今回はテーマを秋、そして、紅葉にフォーカスしました。
葉っぱの色が一枚一枚、似ていても違う様子、
葉っぱが紅葉していく様子、
葉っぱが落ちていく様子、
そして、落ち葉が広がる空間を探索する様子、
そういった環境をクラヤミの中で創っていきました。

一人一人の声が重なってできる音には
声を出している状態では興奮を
声を出さず、聞いている状態では驚愕をしました。

何気なく使っている言葉、声ですが、
まっくらの中で一人一人の声を丁寧に聞いてみるワークでは
それぞれの声が本当に個性的でとても美しかったです。
さらにそれを重ねていくワークでは
アンプも楽器も、照明すらも完全にない状態で
完璧な音楽ができていいたと思います。

まったく見えない中での作業ですので
(本当に自分の手のひらすらも見えません)
具体的に描くのも難がありますが、
興味を持たれた方はご連絡くださいな。

次回は12月18日、蕨のタタミスタジオです。
ハンモックを使ったクラヤミノtones(トーンズ)になります。
年内最後のtones(トーンズ)ですので
是非、ご参加ください。
こちらまで
お名前、人数、電話番号を明記の上
懸命を「12/18 予約/「クラヤミノtones」、タタミスタジオ」
としてご連絡ください。
確認用の返信メールが届いて申し込み完了になります。
(返信には4、8時間かかる場合もあります)

あと、クラヤミノtones主宰のたむらさんの授業も
明日、青山学院大学であります!
こちらも誰でも参加できますよー
詳細はこちらまで。。。。。
ちゃんと仕事をしている私。(一列になって真っ暗闇の中に入っていきます。最初の部分です。)
終わったあとのワンドリンク。お客さんの話しと意見を交換しています。