2016年9月23日金曜日

2016年9月4日(日) 「空中茶室」 原宿VACANTで行われたイベントのレポート

空中茶室レポート

先日、空中茶室というイベントを見に行きました。

一人の茶人と、五人のパフォーマー、そして三人の音家が茶会を表現するものだそうで、
「茶会に潜む身体性とコンセプトを空中ヨガというパフォーミングアートで表現していく試み」
という説明書き。説明を読んだだけでは全くわかりません。(笑)

この不思議なイベントを見に行った感想を書きたいと思います。
まず空中ヨガというと、日中に太陽を浴びながら、健康とかリラックスのために行うようなイメージがあると思います。それを、劇場のような空間でショーとして行うと言うと、なかなか想像がつかない人が多いのではないでしょうか。実際私も友人を誘ってみたのですが、空中ヨガのパフォーマンスってどういうこと?とあまり理解してくれませんでした。

しかし、そういう人にこそ是非一度見て体感して欲しいと思います。
空中ヨガは、想像した以上に力強くて、神秘的で、生命を感じるものなのです。
さて、舞台の奥には見たことのない不思議な形をした打器、そしてその手前には空中ヨガのパフォーマンスの布が垂れ下がり、一番手前にはお茶の道具がスタンバイしています。


まず茶人が出てきて正座で一礼をし、去って行きました。
茶会の始まりということでしょうか。


次に部屋が真っ暗になり、不思議な器の音が聞こえ始めます。
なんと表現していいのかわかりませんが、体の芯に響くような不思議な音です。
中央の布の中から小さな光が見え、布の中に何かが蠢いています。
なんとも神秘的です。


 

人だとわかるのですが、「人」というより「生命の根源」のようなものを感じました。
そしてそこからを破いて(実際には布から)、生き物が生まれ出てきます。
また茶人が出てきて、何やら小さな炎のような物を置いていきます。
その炎を拾った女性がい衣装の女性に受け渡し、そのあとヨガのパフォーマンスがきます。





それぞれが性質の異なる演技をしていたのですが、それが何を表現していたのか、
それとも特に意図はなかったのか、ここはあまり掴めず。
静かに見守りました。



次は3人のパフォーマーが布に上り、1人ずつお茶を飲む動作をします。
飲んだお茶が喉を伝って全身に染み渡っていき、新たな精神の領域に達したような感じを受けました。
と同時に、先ほどのい衣装の女性がやってきてを力一杯叩くと、
3人はが狂ったように舞い始めます。
も一層激しさをします。
何かとんでもないことが起こったのかと思うぐらい、とてつもないスピードで狂ったように舞います。




その舞がまると、茶人が再び現れ、今度は道具を使いかにお茶をたて始めます。
会場にいる人たちみんなが茶人の手の動きに集中しているのが伝わってきました。
そして沈の時間が流れます。

お茶をたてるのは、こんなに時間がかかるものとは知りませんでした。
この間に、たてられるお茶の味やあたたかさを想像したり、部屋の温度や湿度、の感触、
茶人の呼吸までも感じていきます。
どんどん自分の感が細やかになり、自分の身体がお茶の細な部分を感じれるように、
整えられていくような感です。


ついにお茶をたておわり、ヨガパフォーマーの1人がお茶を飲む動作で、一旦暗転。
茶人の一礼で空中茶室のパフォーマンスは終了します。
あれ?ここで終わり?と思ったのですが、
最後のお茶をいただくまでが今回のストーリーだったようです。
このお茶をいただくまでの前置き。
自分としては、んん??全くわからないという印象でした。

お茶を口に含むまでの精神的な部分を表しているのか、、?とか思ったのですが、
考えても埒があかないので、そもそも茶会とはなんぞやと調べてみることにしました。
亭主が少人の客を招き、炭をつぎ、湯を沸かし、懐石をさし上げ、濃茶をさし上げ、さらに炭をつぎ、薄茶をさし上げるという流れで行われ、全工程で約4時間かけて行う
これが茶会の正式なスタイルだそうです。

ああ、これ通りにやってたのね。。
ということは、あの小さな炎は炭に火をつけたという表現?
そのあとの一人ずつのパフォーマンスは、湯を沸かしている間に一人ずつお菓子をいただく様子?

そのあと何かを飲むしぐさは濃茶?そしてあまりの濃さに一瞬頭が狂ってしまったということ?
濃茶覚せい剤のような使われ方をしていたという説があるそうで、
昔の人は茶会を通して非日常の精神世界への旅を楽しんでいたのかなと思った。

そして最後は実際に茶をたて、薄茶で締める。
この一連の茶会の流れとそれに伴う精神世界を、空中ヨガと不思議な楽器で表現していたのですね。

茶会という静かな場において、実はたくさんの感情が押し寄せていたこと。それによって、
どんどん間隔が研ぎ澄まされていくこと。
それが茶会の本来の姿なのかもしれないと思いました。

文:松村(インターンシップ) 

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